田名網敬一個展「世界を映す鏡」が2会場にて開催
2022.11.07




Text Li Bowen


コロナ禍の中で、自由な創作に遡ったアーティストの模写作品が300点超えで登場

2022年11月12日(土)-12月25日(日)にNANZUKA UNDERGROUND、及び11月15日(火)-12月24(土)に3110NZ by LDH kitchen の2会場にて、田名網敬一の個展「世界を映す鏡」が開催される。

本展は、2020年に NANZUKA にて開催した「記憶の修築」、本年9月にニューヨークのギャラリー Venus Over Manhattan にて開催した「Manhattan Universe」に続く新作個展となる。

コロナ禍に見舞われた世の中で、田名網の制作活動は一変したという。予定した海外の展覧や講義、プロジェクトなどが止まり、締切やスケジュールに追われるという60年以上も続いてきたルーティンから意図せず解放され、田名網の創作意欲はますます強くなり、田名網はピカソの「母子像」(Mère et enfant)を模写し始める。

F6号のキャンバスを大量に購入した田名網は、長い退屈な篭り生活の中で、その“模写”を日課として描くようになった。400点を超すピカソ作品の模写を繰り返し制作するうちに、やがて田名網オリジナルのピカソシリーズも生まれてくるようになった。

「制作意図も締め切りも、発表予定も何も決まっていない、ただ心を癒すために描くことがこんなにも心の充足に繋がるのは、驚きであった」という田名網は、こうした創作活動を“写経のようなもの”と語る。

本展は、NANZUKA UNDERGROUND 1F スペースにて、こうして生まれたピカソのシリーズを300点程度、移動式販売スタンド(Kiosk)を模したインスタレーションを中心に展開。同ギャラリー2Fと 3110NZ では、引き続き膨大なイメージの蓄積から生み出される新作のキャンバスペインティング、コラージュ作品、そして最新のアニメーション作品「赤い陰影」も展示される予定。

また、2022年11月10日(木)-11月16日(水)の期間、渋谷PARCO NANZUKA 2G では、非営利目的海洋環境保護団体の Parley for the Oceans とのコラボレーションによって制作された桐製の限定サーフボードも展示・販売される。本企画の利益は、Parley を通じて海洋環境の保護のために使用される。

86歳という年齢を迎えながら、とどまることを知らない田名網敬一の創作意欲を感じられる大きな展示となるのは間違いない。

[INFORMATION]

田名網敬一個展

世界を映す鏡/A Mirror of the World
2022年11月12日(土)-12月25日(日)
NANZUKA UNDERGROUND
東京都渋谷区神宮前 3-30-10
火曜日-日曜日 11:00-19:00
*月曜、祝日休業

世界を映す鏡/A Mirror of the World(chap.2)
2022年11月15日(火)-12月24(土)
3110NZ by LDH kitchen
東京都目黒区青葉台 1-18-7
火曜日-木曜日 11:00-16:00, 金曜日-土曜日 11:00-17:00
*日曜、月曜、祝日休業

Keiichi Tanami x Parley for the Oceans (*pop-up)
2022年11月10日(木)-11月16(水)
NANZUKA 2G
渋谷 PARCO