HONEYEE.COMが気になる人物にインタビューする動画企画「PROFILES.」。
初回となる01は KAMIYA (カミヤ) のデザイナー、神谷康司 の横顔に迫る。
Interview & Text Yukihisa Takei(HONEYEE.COM)
Movie DOP & Editor Koji Ueda
Movie Producer Toshiyuki Takei(NION)
Q1. 今日は何を着てきましたか?
ずっと愛用しているウチ(KAMIYA)のペインターパンツと、最近発売した新型のスニーカー、(2025)秋冬に出しているジップフーディー。ショーの最後の挨拶の時は、ブラウンを着ていたんですけど、今日は黒で。あとはプリントの元ネタになっているヘンリーネックのロンTを着て、いつも着けているCHROME HEARTS(のネックレス)。普段から自分のブランドを着るようにしているのはあるけど、古着やヴィンテージは多いですね。買って自分で着て、クリエーションに生かしています。古着の方が多いかもしれないです。
Q2 . 常に持ち歩いているものは?
タバコと冬場はリップ。あとは特にないですね。財布とケータイ。
タバコは「一日一箱吸わないくらい」です。大学に入ってからです。ショーを始めてからカラダを壊すことが増えて、1週間だけ禁煙したことはあるんですけど、そのままずっと吸ってます。でも土日は吸わないかもしれないです。
Q3 . 子供の頃で一番記憶に残っていることは?
ずっとサッカーしてたんで、基本的にずーっとサッカーしている記憶ですかね。小学2年生くらいから始めて、高校までずっとやってたんで。ボールを蹴るか、あとは足が速かったんで、ずっと走ってました。当時ブラジル代表のカカが好きでしたね。あとシェフチェンコか。イタリアのサッカーが強かったので、ACミランが好きでしたし、逆に小学校高学年になったら、意外とみんなが好きなクラブチームが嫌いで。と言っても有名ですけどチェルシーが好きでした。サッカー選手は目指してましたね。多分卒業アルバムには書いていると思います。「サッカー選手になりたい」って(笑)。
Q4 . 仕事の日の典型的なルーティンを教えてください。
朝起きて、コーヒーメーカーでコーヒーを1杯淹れて飲んで、家出てタバコを一服しながら移動して。会社について、メールを確認して、もう一回タバコを吸ってスイッチ入れて、ジワジワやり残していたこととか、夜寝る前にモヤモヤ考えていたことを書き起こして、作業に入っていくのが基本的なルーティンです。
デザインは電車移動と寝る前に結構いろんなことを思いつくことが多いので、それを家で書き起こすというよりは、会社に行って一回整理して、頭の中のやつを全部出して。会社に生地とか諸々が置いてあるので、それと照らし合わせながら仕様書に起こしたりとかしてます。仕事終わってからは誰かと飲みに行ったり、あとは結構遅くまでやっているんで、20時、21時くらいに終わって、終電前とか。基本的には終わって、コンビニで一個ビール買って、飲みながら帰るっていう(笑)。それがルーティンかもしれないです。外に飲みに行くのは月に2、3回。多い時は多いですけど。一人ではあまり飲みに行かないですね。
Q5. 仕事をしない日は何をしていますか?
何してるんだろう。行ったことないところに行くのが好きだったりとか。前までは上野公園に無駄に行って、アメ横に行って、あの辺で立ち飲みで飲みながら、暇そうなヤツに連絡して、来てもらったりとか(笑)。ウチの店番とかPRをやっている鶴田に連絡して、「何してんの?」、「店にいる」とか無駄な会話をしたり。映画を観に行くこともあまりないですし、基本的に暇だったら高円寺で古着を見たり、神保町で本を探したりとか。最近骨董にもちょっとハマっていて、Googleマップで探して一人で見に行ったりしています。インプットはずっと、毎日していますけど、知らないところに行って吸収したり。オフの日も基本的には色々考えているんですけど、オフは満喫しています。
Q6. デザイナーを志すことになった最大のきっかけ(出来事)は?
うちのボスであり師匠である三原(康裕)さんの言葉が一番大きかったですね。もともと販売員でスタートして、ずっと販売をしていたんですけど、KAMIYAになる前のMYneがあったときに、前任が辞めたんですが、三原さんが休みの日に僕に会いに来てくれて、僕に「任せたい」と言ってもらって。
すぐ回答はしなくて、1週間くらい考えたんですけど。今もその時のシーンがずっと頭に残っていますし、(MYneからKAMIYAに)名前変えるタイミングも覚えていますし。三原さんが僕の分岐点には必ずいるので。KAMIYAになって以降一番大きいのは、仲間だったり、僕のことを知っている人はより協力体制になってくれたというか。MYneの神谷からKAMIYAの神谷になったので、そこが一番大きな変化ではあります。
Q7 . 自分のブランド以外で、買って気に入っているものは?
忖度なく三原さん(Maison MIHARA YASUHIRO)の、M-65ベースのサテン地のカーキのパンツがあって、それをずっと着ています。展示会のときから気に入ってて。最近だと仲の良いDAIRIKUのシースルーっぽい生地のロンTを着ていたり。あとはSUICOKE のサンダルが最近届いて。スウェードのミュールタイプなんですけど、ヘビロテしていますね。中もボアであったかいですし、形も良くて、サンダルも結構ボリュームで選んだりするので。
Q8. 「これが出来たらいいな」と思っていることは?
音楽作れたらいいなと思っています。やっぱり音楽好きなので。聴くのも好きだし、ウチのブランドも音楽のアーティストさんが着てくれることが多いんで。作ろうと思えば多少できると思うんですけど、なかなかそんなことにならずに来ているんで。洋服も音楽を作っている(のと同じ感覚で)と考えてやっているんで、音楽作ってみたいですね。アーティストになってみたいなと思って(笑)。
とはいえ音楽は齧っている程度なので、DJもちょこっとですし、昔ドラムを一回やったことあったりとか、ギターは若気の至りで買って、ちょっとやってみたんですけど全然ダメで。あんまりやってきていないかもしれないです。
自分で作った音楽でショーをすることは考えていないです。ショーは別がいいなと思っています。自分の好きなものだけを弾いて、水面下でSoundCloudとかでしれっと上げておきたいです(笑)。
Q9 . ライバルは?
同世代ですよね。こないだ大阪の仲の良いお店さんで、M A S U(エムエーエスユー)の後藤(慎平)さんとDAIRIKU(岡本大陸)と僕の3人でトークショーしてて。その時も通ずるところが結構いっぱいありました。
後半でお客さんの質問を3人がそれぞれ答えたりするんですけど、その質問に対する答えが割といっぱい通ずるところがあって、波長は合うなと思いつつも、やっぱり違うブランドではあり。
トークショー終わった後にお客さんと触れ合う場面もあったんですけど、それもブランドの色が出ているお客さんが多かったりとか。僕のところに来るお客さんはすごいヒップホップマインドの「押忍!」みたいな(笑)子が多かったりとか。逆に二人のところにはファッションにストイックな子が多かったりとか面白くて。
そのトークショーがきっかけで仲良くなったのもありますけど、ライバルでもあり、今後僕らの世代が日本のファッションを盛り上げなきゃいけないなとか、自分も思いましたし、周りも多分そう思っていらっしゃる方が多いので、そこは自分でも意識しています。二人は特に意識しています。
Q10 . あなたが最も衝撃を受けた言葉とは?
パッと出てくるのは一回目のショーのときのテーマである、ビリー・プレストンの"Nothing From Noting"という言葉が一番衝撃というか、「コレだよな」と思いますよね。
「何もしなければ何も生まれない」って確かになというか、人間の本質というか。何もしなければ共感なんて生まれないし、作ってみなきゃ、見てもらわなきゃ自分のことを知ってもらえないし、何もしなかったらそれまでだし。曲調はポップですけど、すごい芯を突いているなと思ったし。それを自分のブランドのファーストのショーのテーマタイトルに出来たんで。
多分いっぱい影響を受けた言葉はあるんですけど、今も出てくるのはその言葉かなと思います。ずっとそれだなと思います。どんだけブランドを続けても。
Profile
神谷 康司 | Koji Kamiya
1995年生まれ、愛知県出身。高校卒業後、大阪でアパレルキャリアをスタート。ヴィンテージ/アーカイブと現行品をミックスさせるファッションカルチャーに強い影響を受け、ヴィンテージショップで販売キャリアを重ねる。その後SOSU社のストリートレーベルMYneに参画し、三原康裕に師事。2018年にMYneディレクターに就任し、モード感のあるストリートウェアに自身のルーツを投影した物作りを展開。 2023年ブランド名を変更し、KAMIYA(カミヤ)としての活動をスタートさせる。
http://kamiya-online.jp
https://www.instagram.com/kamiya___official/
https://www.instagram.com/kamiya_my/